先日行ったライトトラップの写真整理と、謎の生物の詳細が分かったので、改めてブログを更新したいと思うのですが・・・
「ライトトラップ」という言葉を初めて聞く方も多いと思うので、順を追ってイチから説明していきましょう!
【ライトトラップ in 西表島】徹底解説です!!
まずはココですよね。
この名前だけ聞いて直訳すると『光の罠』。
あながち間違ってもいないのですが、ものすごく簡単に言うと『ナイトダイビング中のライト(光)に集まってくる生物を集める事』です。
普通のナイトダイビングでは、ダイバーが見たい所に光を当てているので、目線と共に水中ライトの光も移動していきます。
一方、このライトトラップは生物を集める事を目的としているので、水中ライトの光をあえて固定し、生物が寄ってきやすい環境を作ります。
夜の海で見られる生物には大きく分けて
に分けられます。集光性のない生物とは、いわゆる夜行性の生物です。
暗い環境を好むので、光を当てると一目散に逃げます。
一部の魚、エビ、カニの仲間がこれに当てはまります。
一方、集光性のある生物はその光にガンガン寄ってくるので、
ライトを固定しているとその光の前に大量の生物が寄ってきます!
この集まってくる生物の正体は「プランクトン」。
主に「カイアシ類(またはケンミジンコ)」と呼ばれる微小な甲殻類が多いです。
と思った方、ここから先がちゃんとありますのでご安心を!
その集まったプランクトンを狙いにくる生物。
それこそが僕たちダイバーの狙いだったりします。
寄ってくる代表的な生物をご紹介していきましょう。
出現率はかなり高め。
光は嫌うけど、プランクトンは食べたいのかな?
産まれて間もなくは「ゾエア」と呼ばれる浮遊期を過ごすので、そのステージだと思われます。
エビと同じくらいイカも寄ってくるので、習性はエビと同じでプランクトンを狙っているのだと思われます。
イカはかなり目が良いので光を「嫌う」のですが、プランクトンが気になるのか、光から少し離れた所でフワフワしてる事が多いです。
強い光を当てるとビックリしたかのように一瞬動きが止まる事もあるので、そこを狙うのがオススメです。
エビと同じく、魚も産まれて間もなくは浮遊しています。
このステージを仔魚(しぎょ)と呼ぶらしいですね。
成長した姿と浮遊期の姿が大きく違う魚も多く、見分けが難しいので、今後の研究により解明していくものがたくさんあると思います。
見た目がかなりヤバめなこの生物、名前を『オオタルマワシ』と言って、映画「エイリアン」のモデルになったとも言われています。
透明な樽のようなものに入っていますが、実はこれはサルパと呼ばれるホヤの仲間の残骸。
サルパの中身を食べ、自分が内側に入る事により身を守っています。
この樽のようなサルパを回しながら泳ぐのでタルマワシという名前が付けられました。
これまた変なのがやってきました。
ジェット機にも見えるこれは「ヒラカメガイ」という貝の仲間。
なかなかピンとこない方もいると思いますが、クリオネ(ハダカカメガイ)の親戚です!と言えば比較的理解してくれます。
写真上部のジェット噴射みたいな所をパタパタさせて泳ぐ姿は何とも可愛らしいです♪
普段のダイビングではまず見る機会のない深海性の生物もこれによって寄ってくる事があります。
このイカは普段水深500mよりも深い所に生息している『ホウズキイカ科の一種』または『クジャクイカ科の一種』だと思われますが、精査が必要です。
このような出会いがあるのもライトトラップの魅力の1つです!!
【 Photo by カズくん 】
深海性のイカと同じく、深海魚も現れる事があります。
この魚は『シマガツオ』という魚で、表層から深海まで幅広く生息してるらしいですが、成魚の生態が未だによく分かっていない魚です。
こういう所から生態が分かっていく事もあるので、すごく貴重な出会いだと思います。
ちなみに、深海魚と言えば『リュウグウノツカイ』なんかが有名かとおもいますが、稀に出る事があるみたいです!!
1度見てみたい魚NO.1なんですよね。リュウグウノツカイ!!!
これを続けてたらいつか出会えるかな!?
前回のナイトダイビングで見れた生物を中心にご紹介していきましたが、この習性はいろんな所で利用されています。
例えば集魚灯を利用した夜釣りも同じ原理ですし、モルディブではこの習性を利用してプランクトンを大量に集め、マンタやジンベエザメをおびき寄せてナイトダイビングをしています。
まだまだいろんな可能性を秘めているライトトラップ。
今年は少しずつ調査もしていきますので、ぜひ一緒に参加してみませんか?
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西表島ダイビングサービス 遊びなーら
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